バーチカル式手帳の光と影 ― 時間を刻むレイアウトの魅力と難しさ


手帳のレイアウトにはさまざまな形式がありますが、中でも「バーチカル式」は時間管理を視覚的に捉えやすいスタイルとして人気があります。

縦軸に時間が並び、横に日付が展開されることで、一日の流れを俯瞰できるのが最大の特徴です。まるで時間が一本の川のように流れていく様子を紙面に描き出すこの形式は、計画を立てる人に安心感を与えてくれます。


バーチカル式の良い点

バーチカル式の最大の魅力は「時間の見える化」です。

会議や打ち合わせ、移動時間などを縦に並べることで、一日のリズムが一目で把握できます。

空白の時間帯が視覚的に浮かび上がるため、余裕を持った予定を組みやすく、時間の使い方を意識する習慣が自然と身につきます。また、仕事とプライベートを色分けして書き込めば、バランス感覚を保つ助けにもなります。


バーチカル式の悪い点

一方で、バーチカル式には弱点もあります。

まず、時間軸に沿って書き込むため、自由度が低いこと。メモやアイデアを広く書きたいときにはスペースが限られ、窮屈に感じることがあります。

また、予定が細かく詰め込まれると、紙面がぎっしりと埋まり、視覚的に圧迫感を覚える人も少なくありません。


予定変更が多いときのデメリット

特に印象的なのは、予定変更が多い人にとっての使いづらさです。

バーチカル式は「時間の流れ」を前提に設計されているため、予定を動かすとその整然とした流れが崩れてしまいます。

修正の跡が目立ち、紙面が乱れることで、手帳そのものがストレスの源になることも。


頻繁に変更がある人にとっては、むしろ柔軟性のあるフリーレイアウトや週間ブロック式の方が心地よく感じられるでしょう。


まとめ

バーチカル式手帳は、時間をきちんと刻みたい人にとっては頼もしい相棒です。しかし、予定が流動的な人にとっては、その整然さが逆に負担になることもあります。


手帳は「自分の生活リズムを映す鏡」。形式に縛られるのではなく、自分のスタイルに合ったレイアウトを選ぶことが、日々を心地よく整える第一歩なのです。